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この紙芝居は、今回のワークショップのために、グラフィックデザイナーでイラストレーターの瀧口希望さんが、オリジナルに描き下ろしてくださったものです。無断転載を禁じます。

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おきなわのみんわ

やえやまのきのゆらい

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むかしむかし、

かみさまがやえやまの

しまじまをつくったとき、

しまにはいっぽんもきがなく、

いわばかりでした。

そこでかみさまは、

やえやまのしまを

みどりのしまにしようと

きぎをよびよせました。

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かみさまのもとに、

さいしょにやってきたのは

「フクギ」でした。

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つぎに「マツ」。

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そのつぎに「クワ」が

やってきました。

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それから「タケ」。

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「クバ」。

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「アダン」がやってきました。

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しまにやってきたきぎは

それぞれいいばしょにすもうと

けんかをはじめました。

 

これをみたかみさまは、

あわててけんかをやめさせて

きぎをあつめました。

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いちばんさきにやってきた「フクギ」には、

「おまえはにんげんのやしきのまわりにならんではえ、

にんげんのいえをたいふうやかじからまもりなさい。」

といいました。

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にばんめにやってきた「マツ」には、

「おまえはうつくしいのでむらをとりかこんで

びょうまやあくりょうからむらをまもりなさい。」

といいました。

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さんばんめにきた「クワ」には、

「おまえのはっぱは、やわらかくて

おおかぜがふけばすぐにおちるが、

またはっぱもみもでるようにするから、

やしきのなかやはたけにはえて

にんげんやことりをたすけなさい。」

とかみさまはいいました。

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すこしおくれてきた

「タケ」と「クバ」と「アダン」には

こういいました。

 

「タケはてんからふってきたあまみずを

すこしずつしたにおろし、ねをよこにはって

おおあめでもやまくずれしないように

じしんのときにじわれをしないようにしなさい。

にんげんのために、まきのかわりになり、

たけざお、ざる、かごになるために

しそんをたくさんふやしなさい。」

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「クバ」は

「そのおおきなひろいはっぱで、

うちわ、つるべになってよのためにつくしなさい。」

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「アダン」は「かいがんがおおなみに

けずられないようにしまをまもりなさい。

そのかわりうしやうまにくわれないように、

とげをつけてやろう。」

とそれぞれのやくめをきめてやりました。

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かみさまがあつまったき、みんなに

ようやくやくわりをきめてほっとしていると、

おくれてきた「ソテツ」が

「わたしはどこにすめばいいのでしょうか。」

とたずねました。

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かみさまは、

「おまえはおくれてきたから

いわだらけのとちでがまんしなさい。

それからしまがききんになったときには

からだをなげだしてにんげんをすくいなさい。」

とめいれいしました。

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かみさまは、こんどこそみんなに

やくめをきめてやったからかえろうとしました。

するとそこに「アコウ」と「ガジマル」がやってきて、

かみさまにおそるおそるききました。

「わたしたちはどこにすんだらいいのでしょうか。」

おこったかみさまは、

「おまえたちはかってにいしでもだいていろ。」

といってかえっていきました。

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「アコウ」と「ガジマル」が

かいがんなどでいしにだきついているのは、

かみさまのよびかけに

おおはばにおくれてしまったからだそうです。

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こうしてやえやまはみどりのしまになりました。

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おしまい

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